海老の天ぷらをプロの技で!完璧な直線形と開花する揚げ技術

料理

家で海老の天ぷらを揚げる時、思うように真っ直ぐにならず、曲がってしまうことがありますよね。お店で見るような、きれいに直線的な天ぷらを自宅で作りたいと思う方も多いでしょう。

実は、海老が加熱されると収縮し、曲がってしまうのは、海老の自然な生理的特性によるものです。

しかし、この特性をしっかりと理解し、適切な前処理を行うことで、家でもプロレベルの直線的な天ぷらを楽しむことが可能です。

この記事では、海老の天ぷらが曲がる原因とその対策法、きれいに直線的に揚げる方法、そして海老の適切な前処理の方法について、詳しくご紹介します。美味しくて見た目も素敵な海老の天ぷらの作り方を学びましょう。

自宅でプロ仕様の海老の天ぷらを完璧に揚げる方法

お店で提供される海老の天ぷらはいつも完璧に真っ直ぐですが、家庭で挑戦すると、なぜか曲がってしまうことがよくあります。

これには特別な技術が必要なわけではありません。実は、海老をまっすぐに揚げるための簡単な前処理の方法があり、それをマスターすれば自宅でもお店で出てくるような美しい海老の天ぷらを楽しめます。

なぜ海老の天ぷらが曲がるのか

海老の自然な形は背中が丸まっているため、加熱するとこの丸みが強調されてしまいます。この曲がりは、海老の腹側にある強い筋肉が加熱で収縮し、縮むことが主な原因です。前処理をしないで揚げると、天ぷらが曲がってしまうのです。

また、海老はその姿が曲がった腰をもつ老人や、長いひげのある老人に似ているため、伝統的には長寿の象徴とされています。

海老の形を保つための切り込み

海老が加熱される際に曲がらないようにするには、下処理で腹側の筋を細かく切ることが重要です。この方法を用いることで、海老の形をまっすぐに保ちながら揚げることができます。

海老の下処理で押さえるべきポイント

海老を調理する際には、臭みを取り除き、見た目も美しく仕上げるために適切な下処理が欠かせません。清潔にし、形を整える手順をしっかりと実行することが重要です。

海老の下処理の基本ステップ

海老の下処理には、殻を剥く、尻尾の先を切る、背わたを除去する、汚れを洗い流す、という四つの基本的なステップが含まれます。さらに、真っ直ぐに仕上げるためには、腹側の筋を適切にカットする工程も必要になります。

殻の正しい剥き方

殻付き海老を扱う際には、最初に殻を慎重に剥きます。無理に力を入れて剥くと、海老の身が傷つく恐れがあるため、以下の方法をお試し下さい。

1.海老の頭と尻尾を軽く曲げて持ちます。
2.背中側の殻の節にできる隙間に指を差し入れます。
3.頭側へ向かって殻を剥き取り、尻尾側の殻も同様に取り除きます。

尻尾の適切な処理方法

尻尾の先は内部に汚れがたまりやすい袋状の構造をしています。この部分を透明感があるようにきれいにするためには、一尾ずつ丁寧に洗浄することが大切です。安全のため、尖った尻尾の先端を切り取ることが推奨されます。

背わたの効率的な取り方

背わたを取る際には、海老の背中側に包丁を入れてわずかに開き、爪楊枝や竹串を使って簡単に引っ掛けて引き抜きます。もし途中で背わたが切れてしまった場合は、別の部分から再び挑戦して完全に取り除きます。

海老の汚れを洗う方法

海老の臭みを取るためには、片栗粉を使って海老をボウルに入れて揉み洗いします。その後、何度か水を入れ替えながらすすぎ、最終的にキッチンペーパーで水気を拭き取ります。

腹側筋の正しいカット方法

まっすぐな海老の天ぷらを揚げるためには腹側の筋に適切な深さで切り込みを入れることが重要です。腹側を下にして、切り込みが入った部分を上から優しく押し下げることで筋を切ることができます。このとき、小さな音がすることがあるので注意してください。

背わたの除去方法

海老の背わたには独特の臭みがあり、ジャリジャリした食感も感じるため、調理前にはこれを取り除くことが推奨されます。背わたとは何かというと、海老の背側にある腸管で、通常は黒や緑色をしています。これは、食べ残しや砂などが混入しているからで、海老が何も食べていない状態ではほぼ透明で、臭いもほとんどありません。

特に養殖海老の場合、出荷の約1週間前にはエサを与えないことで腸管を空にする処置が取られることがあります。そのため、下処理時に背わたが見つからないことがあります。

また、背わたを取り除いているときに、腹側に見られる黒い筋も気になるかもしれませんが、これは中枢神経系であり、味に影響を与えないため除去する必要はありません。背わたは背側にある腸管だけが取り除くべき部分です。

家庭でプロみたいなサクサク海老天ぷらの揚げ方

天ぷら作りでは、サクサク感が出ない、衣が剥がれるなどの問題がしばしば発生します。ここでは、自宅でも簡単にプロのようなクリスピーな海老の天ぷらを作るためのポイントを解説します。

天ぷら衣の基本的な作り方

天ぷらの衣は「混ぜすぎない」ことと「冷やす」ことが重要です。粉と水を混ぜ過ぎると、粘り気が出て衣がべちゃっとしてしまいます。水と粉を混ぜ合わせた後は、ダマが残る程度で構わないので、箸でざっくりと3回程度混ぜるのが最適です。

使用する水は冷たい氷水がベストです。氷水を使用する理由は、低温で混ぜることでグルテンの形成を抑えられるからです。衣をすぐに使わない場合は、冷蔵庫で保管してください。

海老の適切な前処理

海老の表面の水分は衣がしっかりと付くのを妨げるため、キッチンペーパーで丁寧に拭き取りましょう。そして、揚げる直前まで冷蔵庫で冷やしておくことがポイントです。

衣の上手な付け方

海老に均一に小麦粉を振りかけてから、衣液に浸すことがコツです。衣液には身の部分のみを浸してください。尻尾は持ちやすくするために、そのままにしておくと良いでしょう。海老は一本ずつ丁寧に衣を付けることが大切です。

揚げる際の温度と時間

揚げ油の理想的な温度は180度です。一度にたくさんの海老を揚げると、油の温度が低下してしまうため、4尾程度を目安に揚げてください。揚げ時間は海老の大きさや油の量により異なりますが、油の泡が大きくなるのを目安にしてください。

まとめ

本記事では、「海老の天ぷらを真っ直ぐ美しく揚げるための下処理と揚げ方」について詳しく解説しました。ここで、重要なポイントを再度おさらいしましょう。

まず、海老の天ぷらを真っ直ぐに揚げる際、最も重要なのが腹側の筋を適切に処理することです。この筋を切ることで、海老が加熱時に丸くなるのを効果的に防ぎます。

次に、サクサクとした美味しい天ぷらの衣を作るには、粉と水を過度に混ぜず、適度に冷やすことがカギとなります。この際、グルテンの形成を抑えるために低温での調理が推奨されます。

最後に、海老が丸まる主な原因となる腹側の筋を扱う際は、深い切り込みを入れた後、軽く押さえることで筋が切れ、曲がりにくくなります。ただし、この作業はデリケートなため、海老の身を傷つけないように慎重に行う必要があります。

今回ご紹介した内容を参考に、ご家庭でお店で出てくるような海老の天ぷら作りを楽しんでみて下さい。

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