大根が硬くなってしまうのは、皮を薄く剥きすぎたり、充分に下茹でを行わなかったりするためです。また、不適切な保存方法によって水分が失われると、大根はより硬くなります。
美味しくて柔らかい大根を準備するコツは、皮をやや厚めに剥き、適切な時間をかけて下茹ですることにあります。
本記事では、大根が硬くなる理由と、それを防ぐための具体的な方法をご紹介します。特に、おでんに使う大根が硬い場合の対処法についても詳しく説明します。
寒い季節に、味がしっかり染み込んだ柔らかい大根は、箸でさっと切れて、とても美味しいですよね。
大根が硬くなる理由とは?
大根が硬くなるのは、皮を薄く剥きすぎたり、下茹でを十分に行わなかったり、下茹で時間が不足していることが原因です。
さらに、長期間保存して水分が蒸発してしまった大根も硬くなりがちです。
皮を剥き方が薄い
大根の皮のすぐ内側には、硬く筋のような繊維が存在します。皮を薄く剥いてしまうと、この硬い繊維が残り、どんなに茹でても煮ても硬さが残ってしまうのです。
より柔らかい大根を楽しむためには、繊維が多く含まれる部分まで皮をしっかりと厚めに剥くのがコツです。
大根を横から輪切りにした際に、切り口に現れる緑色の線を目安にしてください。この緑の線が見える約3~5mmの厚さが繊維質の部分ですので、この範囲まで剥き取ると良いでしょう。
剥いた皮は捨てずに、切り干し大根として再利用することもできます。その方法については、次のページで詳しく解説していますので、是非チェックしてみてください。
また、大根の皮を細かく切って炒め物にすると、香ばしくて美味しい料理ができます。
下茹でができていない
大根が硬いままである主な原因は、適切に下茹でをしていないことにあります。
生の大根を味がついた液で直接煮ると、浸透圧により煮えにくくなり、時間をかけても硬い部分が残りやすくなります。
大根を下茹でする際には、細胞壁が熱で緩みやすくなり、その結果、柔らかくなり味も染み込みやすくなります。
通常はお米のとぎ汁を使用して下茹ですることが多いですが、なければ少しの塩を加えても同様の効果が得られます。
私は通常、お米のとぎ汁を使わずに、塩を少し加えるだけで下茹でしていますが、これでも大根はしっかりと柔らかくなります。
下茹で時間が適切でない
大根を下茹でする場合、その大きさに応じて最低15分は茹でることが推奨されます。
一般的には短時間で茹でこぼすことが多いですが、5分では大根は充分に柔らかくなりません。大根をしっかりと柔らかくするためには、竹串が中心部をスムーズに通るくらいまで茹でるのが理想的です。大根の厚みがある場合は、それに合わせて茹で時間を長く設定することが重要です。
急いで下茹でをしたい場合、大根を薄切りにすると時短になります。
おでんを作る際には、大根を厚切りにして、保温鍋で半日放置した後、ざるに移して茹で汁で油抜きをします。その後、油を抜いた具材と下茹で済みの大根を保温鍋に戻し、味をつけて保温すると、味がよく染み込んだおでんが仕上がります。
また、大根の切り込みや面取りを施すことで火の通りが良くなり、より柔らかく仕上がります。
保存の仕方が適切でない
大根を長く保存すると水分が失われ、硬さが増すことがあります。
このように硬くなった大根は、漬物にして活用する方法もありますが、煮物に使用する場合は、下茹での時間を長くとることで、水分を吸収しやすくし、柔らかくすることができます。
また、たっぷりの煮汁でゆっくり煮込むことで、大根はより柔らかくなり、味も深く染み込みます。
私の経験では、収穫後に新聞紙で包んで立てて保存していた大根が1週間後に硬くなっていました。この大根を豚汁に使用し、翌日まで煮込んだ結果、大根は非常に柔らかくなり、美味しく仕上がりました。
硬い大根をやわらかくする調理法
硬い大根を柔らかくする一つの効果的な方法は、皮をしっかりと厚めに剥いて、充分に時間をかけて下茹ですることです。
下茹でにおいては、最低でも15分以上が推奨されます。剥く際には、緑色の繊維が見える外側の部分までしっかりと剥き取ります。
多くの場合、下茹でにはお米のとぎ汁を用いますが、お酢や砂糖を加える方法もあります。
私自身は普段、塩を少し加えた水で下茹でをしています。
また、下茹での工程を速めるには電子レンジや圧力鍋の使用が便利です。
シャトルシェフなどを活用するのも効果的ですよ。
おでんの大根が硬い場合の対応方法
おでんで大根が硬く感じられるときは、その大根をおでんの汁で再度煮込むことが効果的です。具材が入った鍋で何度も加熱することで、大根は徐々に柔らかく変わっていきます。
ただし、具が崩れることがないよう、慎重に煮る必要があります。また、煮汁が濃くなりすぎた場合は、水を加えて調整すると良いでしょう。
より速く大根を柔らかくする方法として、電子レンジの利用があります。
耐熱皿におでんの汁を大根が浸るくらい注ぎ、ラップをして電子レンジで2分加熱します。柔らかさが足りなければ、確認しながら加熱時間を追加していきます。
大根が適切な柔らかさになれば、おでんの鍋に戻して再加熱すれば柔らかい大根が提供できます。
まとめ
大根が硬くなる主な要因は、皮を薄く剥きすぎること、十分な下茹でをしていないこと、または下茹で時間が短すぎることです。保存方法によっても大根の硬さが異なる場合があります。
大根を柔らかく仕上げるには、皮をしっかりと厚めに剥いて、竹串がすっと通るまで最低でも15分以上下茹ですることが重要です。
おでんや豚バラ大根のような料理では、柔らかくてふっくらとした大根が最適です。このため、美味しい大根を実現するためには、下茹でという工程が必須です。
さらに、繊維質が多くて硬い大根は、味が染み込みにくいので、皮の剥き方も重要なポイントになります。
最終的に美味しい大根料理を楽しむためには、皮を適切に厚く剥き、十分に時間をかけて下茹でした後で調理することをお勧めします。