ほうれん草は11月から1月に旬を迎えます。この期間に収穫されるほうれん草を使用して、栄養を保ちながら美味しく調理する方法をご紹介します。
電子レンジを用いた加熱方法は、簡単な工夫で栄養素をしっかりと保つことが可能です。このような調理のポイントを押さえておくと便利です。
スーパーマーケットでは、新鮮なほうれん草を手頃な価格で購入できます。ほうれん草に含まれるえぐみや苦味の処理方法も大切なポイントです。
また、ほうれん草のアク抜きが必要か、生で食べられるかどうかについても詳しく解説いたします。
ほうれん草の茹で方が栄養素の保持に重要?
ほうれん草は、緑黄色野菜の中でも特に栄養価が高く、βカロテン、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、マグネシウム、鉄分などを豊富に含んでいます。
ビタミンCは水溶性で熱や水に弱いため、ほうれん草をおひたしや和え物にするときの下茹ででは、茹で時間を短く保つことが栄養を保持する鍵です。
ほうれん草を茹でる際は、茎と葉の硬さが異なるため、適切な茹で時間の調整が必要です。下処理の手順は次の通りです。
1.茹で始める前に、ほうれん草の葉と茎の汚れをしっかりと洗い流します。
2.茎の根元に十字の切り込みを入れることで、熱が均等に行き渡るようにします。
3.茹でる際の水の量は、ほうれん草の量に合わせて調整し、
沸騰した水にはほうれん草1に対して水5の比率で塩小さじ1を加えます。
4.最初に茎を30秒間湯につけます。
5.その後、葉を追加して更に30秒間茹でます。
このとき、15秒ごとに葉をひっくり返すことで均等に熱を通します。
6.茹で上がったらすぐに冷水で冷まし余計な水分を絞り、
食べやすい大きさに切り分けます。
栄養素を逃がさないためには、ほうれん草を長時間水につけすぎないことが重要です。また、フライパンを使った茹で方も効果的です。
電子レンジでほうれん草を茹でると栄養が保たれる?
ほうれん草の栄養素を効果的に保持する方法を探しているなら、電子レンジの使用を検討してみてください。電子レンジを利用すると、水溶性のビタミンや鉄分が水に溶け出すのを抑えることが可能です。さらに、水を沸かして部位ごとに分けて茹でる必要もなく、手間がかからずにすむため、とても効率的で便利です。
ラップを使った電子レンジでの調理法
ほうれん草の農薬や土汚れは、始めにしっかりと水洗いして清潔にしましょう。
ほうれん草の葉と茎を交互にラップに並べ、しっかりと包むことで、熱が均一に行き渡りやすくなります。
200gのほうれん草を電子レンジで加熱する場合は、600W設定で2分が目安です。もし100gだけを加熱するなら、1分程度で済ませてください。
もし茎が太いと感じる場合は、初回の2分加熱後、柔らかさが足りなければ、さらに20秒から30秒間追加で加熱すると良いでしょう。
加熱が終わったら、用意しておいた水を張ったボウルに、ラップのままほうれん草を入れて冷やします。
ほうれん草が冷めた後、軽く水に浸してから水分を絞ると、下処理が完了します。
耐熱容器を使った電子レンジでの調理法
ほうれん草をきれいに水洗いし、食べやすい大きさに切り分けます。その後、耐熱容器に入れ、ほうれん草100gに対して塩を一つまみ、200gなら二つまみ振りかけ、全体にまんべんなく塩が行き渡るようにしてください。次に、ラップをして600Wの電子レンジで、100gは1分、200gは2分加熱します。
加熱後、耐熱容器をレンジから取り出し、ラップを外して、ほうれん草を均一に混ぜることで熱を均等に分散させます。冷めたらすぐに食べることができます。
この方法では、塩によってほうれん草から自然に水分が引き出されるので、別途水でさらす必要がありません。また、栄養素の損失も最小限に抑えられるため、特に推奨される調理法です。
ほうれん草のアク抜き、本当に必要ですか?
ほうれん草を調理する際、アク抜きを省略することは可能でしょうか?手間をかけたくないと考える人も多いですが、アク抜きの必要性を一緒に考察してみましょう。
ほうれん草にはシュウ酸が含まれており、これが苦味やえぐみの原因になります。また、過剰摂取すると健康に害を及ぼす可能性があります。シュウ酸は体内でカルシウムと結びつき、シュウ酸カルシウムを生成し、カルシウムの吸収を妨げることがあります。
しかし、シュウ酸は水に溶けやすく、ほうれん草を茹でた後に冷水にさらすことで、その苦味やえぐみを軽減し、健康リスクを減らすことができます。
毎日大量にほうれん草を摂取するわけではないため、あまり心配する必要はありませんが、アク抜きにより有害な成分を減らせるため、手間をかける価値はあります。
茹でたり、水にさらす時間が長いとビタミンやミネラルも流出してしまいます。そのため、栄養を保ちながら効率的に下処理を行う方法を選ぶことが重要です。
生食可能なほうれん草の品種
いくつかのほうれん草は、生食に適するように品種改良されています。これらはエグミが少なく、予め下処理する必要もないため、栄養素をそのまま活かして楽しむことができます。
中でも「赤茎ほうれん草」は、その明るい赤紫色の茎と葉脈が特徴で、見た目も鮮やかです。サラダに加えることで、華やかな色彩を添えることができます。苦味がほとんどなく、そのまま食べやすいので、生での摂取が推奨されています。
赤茎ほうれん草にはアントシアニンを含むポリフェノールが含まれており、生で摂ることでこれらの成分を効率良く取り入れることができます。加熱すると、その美しい色が失われてしまうため、生での利用がおすすめです。
また、水耕栽培で育てられる「サラダほうれん草」もあります。これは、苦味やエグミが少なく、生で食べるのに適しています。市販のものと比べて葉が丸く、茎が細長いことが特徴です。
ほうれん草を生で食べる場合は、ビタミンCを多く含むレモンやオレンジと合わせることで、鉄分の吸収が促進されます。
ほうれん草を調理する際の重要なポイント
ほうれん草に含まれるシュウ酸という成分は、適切な下茹でを行うことで除去できます。しかし、水に長時間さらすと栄養素が流出してしまうため、注意が必要です。
ほうれん草を切らずに丸ごと茹でることで、ビタミンCやカリウムなどの水溶性栄養素の損失を最小限に抑えることができます。茹で時間は1分以内にすることが効果的です。
さらに、電子レンジを使った調理方法は、お湯で茹でるよりも栄養素の保持に優れています。塩を少量加えるだけでアク抜きも簡単にでき、調理時間も短縮できるため、効率的な調理法としておすすめです。