ホールトマトやダイストマトを使った缶詰は、ミートソース、ミネストローネ、カレーなど、多岐にわたる煮込み料理に役立つ食材として知られています。
生のトマトと比較して保存期間が長いため、缶詰のトマトは多くの家庭で好んで使われます。しかし、時にはその使い方に迷うこともありますね。
ホールトマトとダイストマト(刻んだトマト)は、見た目の違いだけでなく味にも差があります。これから、それぞれの形状や味、栄養内容、さらには代替できる食材について掘り下げて説明していきます。
缶詰トマトのホールとダイス、それぞれの特徴とは?
缶詰トマトは、ホールトマトとダイストマトという2種類があります。ホールトマトはトマトを丸ごと缶に詰める一方で、ダイストマトは立方体状にカットされたものが使用されます。
これらの缶詰には、特に加熱料理に適したイタリア産のサンマルツァーノ種がよく使用されます。ダイストマトでは、丸みを帯びた中型のラウンド種が用いられることがあります。
ホールトマトは甘みと酸味が強く、煮込むと形はほぐれやすいものの、種が料理の食感を邪魔することがないため、スープやミートソース、トマトソース、カレーなどに適しています。
ダイストマトは種が少なく、酸味もマイルドで、加熱しても形が崩れにくいため、そのまま食べてもおいしいです。このため、サラダや冷製パスタ、ミネストローネなどのスープに使用すると、トマトの食感を存分に楽しめます。
ホールトマトとダイストマトの栄養成分の比較
缶詰トマトはトマトピューレとクエン酸を含んでおり、ホールトマトもダイストマトも生のトマトと同様の栄養価を有しています。
通常、トマト缶は総重量400gのうち、固形トマトが240g含まれています。これは大きな生トマト2?3個分、小さなものであれば4?5個分に相当し、これを基に生トマトでの料理量を計算することができます。
トマトにはビタミンA、B、C、E、βカロテン、リコピン、食物繊維など多くの栄養素が含まれています。また、旨み成分として知られるグルタミン酸やアスパラギン酸も豊富に含まれています。
特に重要なのはリコピンで、生のトマトでは100g中に約5mgのリコピンが含まれるのに対し、トマト缶では約15mgと3倍近いリコピンが含まれています。
リコピンの摂取を最大化するためには、油と一緒に調理するのが効果的です。このため、缶詰トマトを使用したトマトソースなどの料理は栄養面で非常に優れていると言えます。
ホールトマトの代替品として適した材料
ホールトマトの代わりに適切な選択肢としてトマトジュースがあります。トマトジュースを使う際は、できる限り添加物がない、無塩のタイプを選ぶとより自然な風味が得られます。
トマトジュースは元々ホールトマトよりも軽めのテクスチャーですが、煮詰めて使用することでより濃厚で近い食感に仕上げることができます。
塩を含むトマトジュースを使用する場合、料理の味の調和を取りながら調理を進めることが重要です。
トマトジュースは、ミネストローネやリゾットといった料理にも適しており、優れた代替品です。
生トマトを代用する場合、皮を剥いで塩やハーブを加えて煮詰めることで、トマトの酸味と風味が際立ちます。甘みが不足している場合は、少量のトマトケチャップを足すのがおすすめです。
ただし、トマトケチャップをホールトマトの完全な代替品として使用することはお勧めしません。トマトケチャップは基本的に甘く、隠し味として少しだけ加えるのは問題ないものの、主要な材料としては向いていません。
ダイストマトの代替品として適した材料
ダイストマトの代わりに最も適しているのは、食感が重要な要素となる場合、生のトマトを利用することです。
トマトジュースは固体の形状を維持しないため、ダイストマトのような役割を果たすには不向きです。ケチャップも、味が付いており、自然なトマトの食感を楽しむのには不適切です。
ただし、ミートソースやミネストローネのような料理には、ダイストマトやホールトマトの代わりとしてトマトジュースを使用することもあります。
特に、生トマトの質感を保ちつつ、味にコクを出したい場合は、適量のケチャップや塩、コンソメを加えたトマトジュースを利用するのが効果的です。この方法では、異なるトマト製品を組み合わせて、望む風味と食感を実現することができます。
まとめ
ホールトマトとダイストマトはそれぞれ使い道があり、万能なレシピもあれば特定のタイプを必要とするレシピも存在します。
野菜価格の高騰で生トマトが手に入りにくい時でも、缶詰トマトは価格が安く、長期保存が可能で栄養もしっかりとれるため、ホールタイプとカットタイプを常にストックしておくと良いでしょう。
また、トマトが旬の季節には新鮮な生トマトを使い、それ以外の時期や手元にトマト缶がない場合はトマトジュースを活用し、好みの味に調整して料理を楽しむのがおすすめです。